コソ練の現場から。

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まず見るべきは、他人じゃなくて自分。

あの人にこんなことを言われました。
あの人の態度が気になって仕方ありません。
あの人は、なぜこんなことをするんでしょうか?
どうやったら、あの人は変わってくれると思いますか?
あの人には、何が起きているのですか?

縁あって出会ったみなさんに、心の仕組みや心との健全なつきあい方をお伝えすると、必ずと言っていいほど出てくるのがこうした発言です。

以下のような言葉で質問を受けることもよくあります。

職場にこういう人がいるのですが、私はどう対処すればいいですか?
家族にこんなふうになってほしいのですが、私はどうすればいいですか?

 

一方、勉強会やワークショップに参加されたみなさんで、よく盛り上がるのが、この話題です。

あの人は、こういう正解争いをしている。
あの人はいつも、こういう悪いところ探しをしている。
あの人は、こんなことを怖れているのだろう。

さて、これはいったい、どういう状態なのでしょうか?

答えは、身の回りにいる「あの人」や、職場にいる誰か・家族の誰かを標的にした、無意識の正解争いや悪いところ探しです。正解争いや悪いところ探しをしているのは、彼らではなく、こうした発言・質問をしているご本人です。

 

私たちはときに、自分の心のなかで起きている正解争いや悪いところ探しを上手に無視し、他の誰かを標的に、正解争いや悪いところ探しをはじめます。そのうえ、彼らの問題や困りごとを解決するにはどうしたらいいか、考えを巡らせようとします。

これは、心の学習をはじめたばかりの人によく見られる現象です。

学習に慣れている人でも、ついやってしまいますし、こうした現象に気づかないまま、自分以外の人を題材に、延々と正解争いを続ける人もそれなりにいらっしゃいます。他の人の言動や行動を分析し、理解することに、優越感を感じたり、自らの成長を実感したりする人もいることでしょう。

 

心の仕組みを知ることで、他の人の言動や行動が理解できるようになることは、人によっては、とても楽しいことかもしれません。

一方で、自分の心から目をそらし、他の人の動向や反応ばかりを気にしていては、いつまで経っても、本当の幸せを感じることはできないでしょう。なぜならそれは、私たち本来のありようではないからです。

「あの人や」、職場の誰か・家族の誰かがどんな態度を取ろうが、まず目を向けるのは、自分自身の心です。自分の心で起きていることを認識してはじめて、自分を幸せにする方法を問い直し、選び直すことができます。

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